奈良⇔山形

絵描き、三瀬夏之介の日々諸々。
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修復は可能か?
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    なんと気づけば4月からブログを更新してませんでした。

    ここ最近は勤務する東北芸術工科大学が主宰する山形ビエンナーレにかかりっきりでした。

    1日の休みもない熱い熱い夏を終えてひと段落。ちょっとづつキュレーションした展覧会を振り返っていこうと思います。

     

    あの集落に入り込んだ頃はまだ雪が残ってました。

     

     

    「修復は可能か?」

     

     「この像を修復することは可能だろうか?」と胸に問いかけてみる。

     

     それは保存修復家の友人に案内され、山形のとある中山間地域を訪れた時のことだった。彼が調査の最中に出会ったという奇妙な風神雷神の画像を見せてくれた時には胸が躍った。奈良で生まれ育った僕にとっては見たことのない素朴でぎこちない造作、しかしそれでいてなぜかこちらに強く迫ってくる像に圧倒された。

     大学から小一時間ほど車を走らせたそこはすでに廃村となっており、神社は管理されることもなく鳥居は倒れ、屋根は崩れ落ちている。残雪の湿気とカビの匂いが充満する暗いお堂の奥底で風神雷神は僕を待っていた。そしてそれは、思っていたよりもか弱く小さな小さなものだった。

     

     この像はこれからどこにあるべきなのだろうか?

     丁寧に修復して博物館に納める。しかし、そこは本当の意味ではこの像のあるべき場所ではない。しかし、この像を待っている者はもういない。このままでは来年の今頃には豪雪に押し潰され、いつしか土に還るだろう。それはそれで美しい結末か。

     機能を失ってしまった神々の行く末を案じる内に、最初の問いはいつしか「地域の修復は可能だろうか?」という問いへと変わっていた。

     

     今、山形を考えることは、決してここだけの問題ではない。それはもう壊れ失くしてしまったことに気付くということであり、それをどのように回復するのかという辺境と呼ばれる場所すべての問題でもある。

     本展覧会では、過去の遺物と現在の問題をつなげる交差点として空間を作り上げた。時空を超えた出会いのものがたりを読み解いて

    JUGEMテーマ:アート・デザイン

    ほしい。

     

     

     

     

    | natsunosuke | 展覧会 | 17:40 | - | - | - | - |
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