奈良⇔山形

絵描き、三瀬夏之介の日々諸々。
根と路。
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    青森県立美術館でのオープニングに学生たちと行ってきました!

    夢にまで見た考古・民俗・歴史資料と現在の制作物を混在させ、新たなあったかもしれない世界を顕在化させる展覧会が実現されていた。

    夢は気付かない内に叶っていることがある。

     

     

    初めて東北に来た2009年の夏、「東北画は可能か?」というテーゼを思いついたのは青森県立美術館のお隣三内丸山遺跡でのことだったな。

    それから何度となく通って出会ったのが在野の民俗学者、田中忠三郎という存在。

    忠三郎から教えられた綿花の育たない青森という地域、使える身分、絵が描けなくてもできること。そこから生まれたのが、普段何気なく捨てている衣服を織り直した共同制作「しきおり絵詞」だった。

    完成とほぼ同時期に田中さんの訃報が届いたため、今回青森の地で発表できることにはとても感慨深いものがある。

     

    この共同制作チーム「日々織々」はその時々に合わせてリーダーが変わり、様々なカスタマイズが加えられていくのが特徴。

    今回で三期目と言えるだろう変遷を遂げて青森県立美術館のエントランスに飾られています。

    僕たちのジャッカ・ドフニを見に来てください!

     

     

    僕の作品を含む、この展覧会の感想はまだ言葉にできません。

    展覧会とはどこまで観客を誘導すべきなのか、あるいはすべきでないのか。

    展示しながら、内覧会で自作の周りを多くの方々が周遊をするのを眺めながら多くのことを思いました。

    会期終わりくらいには総括できるかな。

     

    グループショーであることを切り離して一番感銘を受けたのは、架空の地震によってチリが漂流していくヨナサス・デ・アンドラーデの映像作品。日本においてはカタストロフの大地震を、国境問題の軋轢解消のメタファーとして使用するイメージの飛躍と、裏付けとしてある政治的なリアリティーに打たれた。

    いつか百科事典のような展覧会を開きたい。

     

     

    作家たちとの打ち上げはとても楽しいものでした。

    全員自身の時間をしっかりと生きていて、その共感が心地いい空気感を作っていた。

     

    特に淺井裕介くんとは久しぶりの再会だった。

    彼の自身と世界への誠実な姿勢に、今日の暑い月かげでの制作は支えられていた。

    今日も彼はどこかで描いてるだろうし、作り続ければまたどこかで会える。

    ようやく踏ん切りがついた気持ちです。

     

     

     

    | natsunosuke | 青森 | 18:50 | - | - | - | - |
    青い森考。
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      青森に行ってきました!
      来年、青森で僕が求めていた展覧会が実現しそうなので、その打ち合わせとリサーチ活動のため。
      日本という概念の南北への拡張、考古・民俗資料と現代アートの共存、東北に来て7年目の集大成にしようと意気込んでいます。






      そして本題は八戸市美術館で開催中の「豊島弘尚展」のトークイベント出席のため。
      宇都宮美術館の谷新さんとの対談前には、会場で墓獅子の舞いが披露される。

      イベントによくある、急な依頼に急な出演ではなく、今回は学芸員の大嶋さんによるアテンドで、前年から豊島弘尚が影響を受けた八戸の風景、民俗芸能を継続的に見せていただいていた。
      →http://mise.natsunosuke.com/?eid=1268294​

      お盆の時に鮫地区の墓前で見た墓獅子には感銘を受けたが、そういえばこの日は豊島の命日に近く、会場で涙を浮かべていた人もみえた。
      学芸員、遺族、地域の方々の作家への愛、美術館が個人の作家性を超えた場所になっていたこと、故郷と表現の関係など、多くのものを得た旅でした。




      戻ると「東北画は可能か?」の追い込み作業。
      苦戦している共同制作はどうなるか?!
      ひとまず喜多方でのお披露目です!

      「東北画は可能か?@喜多方画廊星醫院」
      10月31、11月1、6、7、8日 週末5日間、12時〜17時のみオープンします。
      →詳細はこちらまで。

      | natsunosuke | 青森 | 19:57 | - | - | - | - |
      ここ最近。
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        「ジパング展」以来お付き合いのある八戸市美術館とのお仕事で青森に行ってきました。
        有形文化財、更上閣で観るお庭えんぶりは甘酒とせんべい汁の振る舞いもあり、だんな様気分を味わえる。
        方言や祭りの背景の説明が素晴らしく、途中に挟まれる祝福芸の子供たちがかわいい。
        ショーアップに関しては賛否あると思いますが、まずは途絶えることなく、続けること。



        夜には鮫地区での神楽の練習を見学させてもらう。昨年見た先祖供養のため墓前で舞う黒獅子には心打たれた。
        机で勉強をする男子中学生、部屋の片隅でキャッキャと騒ぐ女の子が、自身の演目になった瞬間に姿が変わる。
        小さな地域の小さな公民館で、夜な夜な世代を超えて受け継がれる神への奉納に価値観の変わるほどの衝撃を受けた。


        恋しさに恋しき人の墓見れば  涙で書いた石の塔婆よ
        恋しさに我が古里を来で見れば  変わらぬものは森と林よ
        恋しさに恋しき人を来て見れば  見るよりはやくしぼる袖かな


        練習後には地域の方々との飲み会に突入。タコの刺身にイカの塩辛がうまい。
        現代における芸能の意味を考えさせられる一日となった。



        楽しみにしていた、国際芸術センター青森で開催されている青森市所蔵作品展「歴史の構築は無名のものたちの記憶に捧げられる」にも行ってきた。ディレクターの藤井光さんとは市民との8mmフィルム上映会の時にお話しした。
        さすが映画監督だけあって、所蔵品を使用しながらもかなりバイアスのかかった長編演劇を観ているような感覚に引き込まれる。
        ものを作るのではなく、できごとに移行するのでもなく、現代アートの一断面はこのように、アーティストが記憶材を使って、まるで指揮者のように新たな物語を紡ぐような方向になると思う。そしてそれは僕がこれからやりたいこととも重なる。



        今回の旅には山伏の坂本大三郎くんも同行してくれた。
        彼の知識と経験から生まれる言葉が今回の旅を豊かなものにしてくれた。数年後にみんなの度肝を抜くような展覧会を一緒につくりあげるつもり。





        旅から戻るとすぐに東北芸術工科大学卒業・修了制作展東京展!
        青森でのゆったりとした時間の流れとのギャップにクラクラする。
        さらには大学院の田中望と久松知子の展覧会もあり!

        田中望「潮つ路」@横浜美術館アートギャラリー
        2月7日〜3月1日

        久松知子「第18回岡本太郎現代芸術賞」@川崎市岡本太郎美術館
        2月3日〜4月12日


         
        | natsunosuke | 青森 | 23:18 | - | - | - | - |
        乙未。
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          今年も近所にある八幡さんで初詣を迎えました。
          しばらくのんびりと時間をかけて作品づくりに没頭…という訳にもいかず、京都、金沢での大きな発表を控えていますし、「東北画は可能か?」もアーカイブブックの作成に東京都美術館での発表とフル回転の新年です。

          学生にもよく言うように、いくつものプロジェクトと制作を走らせながら、すべてにおいて最高の落とし所を見つけ形にしていく、そんなタフさを今年は身につけたい、そんな後厄のぼくです。



          雪の青森に行ってきました。ACACでの滞在も思えばもう2年前か。
          今回は十和田市現代美術館で開催中の田中忠三郎が伝える精神 〜東北の民俗衣コレクションと現代美術〜の関連トーク企画「忠三郎と東北画」出演のため。
          ACAC滞在中に学生たちがリサーチで見つけてきた刺し子に裂き織りに忠三郎さんの存在。そこから生まれた共同制作「しきおり絵詞」を持っていき、ずっとお話ししたかった藤浩志さんと話せたことは今後の活動において重要な契機となりました。



          ここは忠三郎さん御用達の喫茶店。一番奥の席で文章書いたりしてたんだろうな。
          ぼくが絵を描くことの根拠を民俗学に求めるという一面はけっしてノスタルジーではなく、そこに本当の意味で今に使える民俗知が転がっているように見えるし、ちょっと織り直すだけで新たな価値観を紡げそうに思えるから。



          トーク時の限定展示では、マイケル・リンのテキスタイルパターンと「しきおり絵詞」が不思議なマッチングを見せていました。作品を小さくパッキングしてどこでも行って、どこにでも展示する旅芸人のような気分。

          藤さんはピースとしての作品を作るひとではなく、仕組みをいじくるひと。
          トークにおいては、「東北画は可能か?」に対してある種の編集作業をしてもらったような感覚でした。
          美術館ボランティアの方々、地元高校の先生などから多くの示唆をいただいた素晴らしい時間。
          青森にはもっともっと深く関わりたい。



          強行軍で山形に戻ると自身の新シリーズへの着手が始まる。
          4年生に院2は卒業、修了制作への追い込み、撮影に講評会。
          別れを思うと寂しくなるので、同じ場所で同じく追い込む同志としての空気感を共有してる。

          今週末にはドキュメンタリー番組作成のため張り付き取材が始まる。
          これを機に会いたいひと、行きたい場所へ向かうよ。
          まだまだ拡張が足りない。正念場の2015年です。
           
          | natsunosuke | 青森 | 22:46 | - | - | - | - |
          オープン!
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            ACACでの個展オープニングのために青森に行ってきました。
            片道400キロの道のりにもすっかり慣れました。

            知り合いのほとんどいない青森でのトークでしたが、多くの方々に集まっていただけて、とてもうれしかったです。
            また意識の高い方々からの質問も多く、ここ青森でのACACの存在意義を感じる時間でした。


            帰りには青森県立郷土館で「青森県立郷土館所蔵絵図セレクト展」を見ましたが、これが面白かった!
            大型絵図が並ぶ空間も壮観ながら、あえて大型の絵図を各藩に作らせる幕府の意図、伊能忠敬が測量するまでイメージできなかった日本のかたち、仙台より立派に描かれる八戸、大事なもの、思いの深いものを中心に歪む世界の見え方などなど。

            まだまだこの場所で描き残すことの意味をしっかりと考えなくてはいけないと教えられました。




            三瀬夏之介個展「ぼくの神さま」
            2013年4月27日(土)〜6月23日 10:00-18:00 入場無料|会期中無休


            | natsunosuke | 青森 | 00:46 | - | - | - | - |
            青森行。
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               雪に青空。音のない世界。明るい夜。
              すべてこちらに来てから知った新しい世界。



              1月から春にかけて国際芸術センター青森に滞在して制作することになりました。
              まずは場の空気を感じるべく雪の青森へ。
              山形とは積雪量がまったく違う。
              ここには学生たちと夏に何度も滞在しているけど、ほんと同じ場所かというほどの変ぼうを見せている。



              ここが安藤忠雄建築の創作棟。



              広い広い制作場所。木工、写真、版画、ワークショップスタジオを併設している。
              特に銅版画スタジオには世界最大級のプレス機があります。

              何をつくろうかと思案するため、青森県立郷土館で「津軽・南部のさしこ着物」展を見たり、市のコレクションを精査したりしたけど、僕はやはり日本の近代化と美術誕生の関係が気になるよう。
              青森の郷土館で見た、奈良、京都といった中心地からの文化史観とは違う、辺境の地における地域から見返す日本の歴史観は新鮮だった。



              そんなわけで帰りにはまず浪岡の「常田健 土蔵のアトリエ美術館」へ立ち寄る。
              人に見せるわけでもなく、売るためでもなく、ただ黙々と地方で描き続けた画家がここにいた。
              雪に埋もれた美術館に訪れる人は少なく、バッハの無伴奏チェロ組曲の流れる館内でゆっくりといい時間を過ごせた。




              こちらは敷地内にある常田健のアトリエ。今回は積雪のため中は見れず。また雪解けの浪岡に来たい。

              しかし彼への晩年の評価がなければ、これらの作品はこの土蔵のなかで朽ちていったんだろうな。そしてそんな絵は全国のいたるところにあるんだろう。
              評価とは、価値とはいったい。ものに託す美術とは。



              幸運なことに弘前の田中屋画廊で「生誕80年村上善男回顧展」を開催していたのでこちらにも立ち寄る。
              今回の旅では偶然にも彼の著書「浮游して北に澄む」を鞄に放り込んでいた。

              村上善男さん設計のカフェで店員さんに村上さんの弘前時代のお話を伺う。
              全国のこういった味わいのある街の画廊を作品と共に旅するなんて夢想をする。


              今年の冬は長くなりそうです。
              | natsunosuke | 青森 | 23:45 | - | - | - | - |
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