奈良⇔山形

絵描き、三瀬夏之介の日々諸々。
冗談者。
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    遅まきながらジョーカーを見てしまいました。
    未だ自分のどこにこれを格納していいのか解らない。


    ストーリーは、映画の想像力をもってしてこの最悪な人生をなんとかしてあげて!という願いもむなしく、事前に予想した通りの悪夢として予定調和的に進んでいく。

     

    僕が美術部に入り、芸大にまで行き、美術教育の現場に足を踏み入れたのは、大げさに言うと世界と自身とのズレのようなものがあって、伝わるかどうかも解らないイメージの理想のようなもの、それをこの心からグワッとつかみ出してみんなに提示したいという誇大妄想的な欲望からスタートしていることは間違いない。
    そう、理解できない人には笑えない冗談のようなもの。

     

    口角を上げること、場違いな笑いは抑圧された感情の表出であり、本当の意味で笑うために芸術を選んだのではなかったか。それを思い出した。

     

    この映画を、何も失うもののない「最強の人」の人のメタフィクションであると片付けることはたやすい。最後の場面で「すべてが妄想だったかもしれない」という余韻を残してくれたことがまだ救いだという地獄。
    ジョーカーが誕生したのはどのタイミングか、自身がどこまでが倫理的に許せるのか、それを判断するリトマス試験紙としてこの映画は表現者一般が考えなくてはいけない問題を含んでいる。

     

    最高のコメディはいつも破壊的だ。

     

    | natsunosuke | 芸術 | 09:50 | - | - | - | - |
    原論。
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      先日の内藤正敏さんをお迎えしての「東北とは何か?」
      大人が自らの信念を、その執念ともいえるバックグラウンドと共に語り、若者たちを鼓舞させる姿に感動しました。
      なかなかタフな毎日が続くけど、こんな状況が常態になれば色々と変わっていきそうな気がする。



      彼は彼の原論を語ったのだと思う。

      大学には様々な原論が乱立していて、学生たちはそれに影響を受け、つまみ食いし、さらに深く掘り下げ、図書館で書物にまみれ、街に山に出かけ、人や大自然にふれ合い体験の質を高める。
      表現の手前にはその深い関心と動機が耕される必要がある。

      内面が耕されていれば、自作の前でその背景を語れるのは当たり前の話。それができないということは、その主題に対して有機的な構造、関係性がまだ結ばれていないということ。表現以前の段階で作品作りを始めてしまい絵の中で苦しんでいる姿をよくみかける。

      それを美術で表現する必然性は本当にあるのか?


      内藤先生は「美術において教えることは何もできない。ただ発見してやることだけだ」とおっしゃっていた。
      自らが自らを教育していくその能動性のきっかけとしてこの場所は機能できるか。

      描き残したいという強い欲望、動機から物質に関わり没入していく感覚と、それが美術としての付加価値を持つという社会的な文脈との間でいつも引き裂かれる。
      しかし世界と自分と表現の関係を最初に押さえておかないと本末転倒になる。絵と格闘しろなんて言うこともあるけど、実際絵の中に答えはない。

      絵の中に答えはあるとも言える。絵が世界の整理整頓であり、新たな秩序の発見の場であるならば、そこでの知見は現場である世界に連れ戻さなくては行けない。

      経験と表現とそして実践、「いま」「ここ」「わたし」が切り結ばれる素晴らしい場でした。
      | natsunosuke | 芸術 | 15:21 | - | - | - | - |
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