奈良⇔山形

絵描き、三瀬夏之介の日々諸々。
穢土。
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    芸大の恩師、小嶋悠司先生が亡くなりました。

    何を間違ったか保守的で息苦しい日本画科に進んでしまった僕にとって、小嶋先生の存在と作品は微かな光のようなものでした。

    野外ピロティーにアトリエを構え、合評会ではレリーフや立体作品を提出するといった、日本画学科の先生方に喧嘩を売るような態度だった僕でしたが、小嶋先生の表情だけは恐くて見れませんでした。

    正直なところ、時にアトリエに来てかけてくれる言葉はまるで禅問答のようで、なかなか理解の難しいものでしたが、美術館に並ぶあの陰鬱で艶やかな画面の中で人間の実存を問うような巨大作品はこの人から生まれたのだと思うと、なんとか理解しようともだえ続けたものでした。

    その問いに卒業してから数年後に答えを出せたものもあれば、未だに向き合い続けているものもあります。おそらく先生は僕を通して自身に大きな問いを投げかけられてたんだと思う。それくらい僕に興味のない素振りだったし、大学院で指導担当を希望しながらも外れた僕にとっては永遠に片思いの相手となってしまいました。

    学生時代だった90年代、京芸にはヤノベケンジさん、森村泰昌さん、山本容子さんらが闊歩し、アートの拡張性が叫ばれた中、ロマネスク彫刻からブールデル、柳原義達へ、ピカソ青の時代、セザンヌの凄さ、東寺立体曼荼羅、なんとも古めかしい美術談義を飽きることなく朝まで友人たちと繰り返したことは、間違いなく無言の小嶋先生の影響だったし、今でも僕の骨格を支えてくれています。

    あの頃、まさか僕が大学で日本画を教える立場になるとは想像もしませんでしたが、今ここ東北で学生たちに小嶋先生の作品を紹介することがあります。先生からいただいたものを繋げることが僕のできることかな。

    先生、ようやく穢土から旅立たれましたね。

    | natsunosuke | 京都 | 22:45 | - | - | - | - |
    戻山。
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      例年に比べてかなり遅く研究室のコナラが色づいてきました。
      山形では積雪もほとんどなく、年を越えてからが恐いです。。



      京都に行ってきました。

      京都造形芸術大学にて「地域に根ざした美術は可能か?」と題したレクチャーを開催。
      僕自身、京都で学び、奈良で働いていた頃には思うこともなかった、美術における地域性のこと。あれから時代も変わった。

      蓄積された豊穣な文化が露出している京都で暮らす彼らはどう感じただろうか?
      地域の切実さと表現者の当事者性の一致と不一致。

      質疑応答やレクチャー後に話した学生からは、大学主導のアートプロジェクトにおけるプロセスやゴール地点のようなものに不安を持っているものが何人かいた。
      持続的に取り組まない限りそこには祭りの後しか残らないし、自身にそこまでコミットする覚悟があるのかどうか?
      ちょっとした地域の特性のような上澄みだけを相手にするだけではなく、例えばその地域の負の遺産までをも受け止めることができるか?

      何をもってそのプロジェクトを成功とみなすのかは多くの評価軸があるだろう。
      ちょっとびっくりするほどの地域型アートプロジェクトの乱立に、これからはそのひとつひとつの質が問われるようになり、その必然性とともに淘汰されていくんだろうね。

      来年の秋には京都造形のASP学科が運営しているギャラリーARTZONEで「東北画は可能か?」を開催することになったので、これで終わりではなく、深いお付き合いが続きそうです。


      レクチャーには高校教員時代の教え子が来てくれていてうれしかった。
      彼らも今や卒業制作や修了制作に取り組んでいる。


      帰りは個展開催中の東京で下車。こちらは過去の小品中心の展示です。
      夜には久しぶりの面々と楽しい飲み会。多く話した後はいつも描きたくなる。

      戻山してからは、ほんと久しぶりにゆっくりと制作の時間をとれた。
      年末年始は制作と読書の静かな時間を過ごしたいと思ってます。



      「 三瀬 夏之介 展 空虚五度 -open fifth- 」

      2012年12月19日(水)〜25日(火)

      @日本橋島屋6階美術画廊(B)

      | natsunosuke | 京都 | 18:31 | - | - | - | - |
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